「与える人」こそ成功する時代
この本は人のために何かをすることでめちゃめちゃ得するよというお話しをしています。じゃあどのようにどのくらい人のためにすればいいのかを科学的に解説している本です!
- ギバーとは
- ギバーの力
- 好意を持たれるのはテイカーorギバー?
- 弱い繋がりの強さ
- ギバーのエネルギー
- 「5分間の親切」からすべてが始まる
- ギバーのみが持つ信用の力とは?
- 弱点は大きな強みになる
- 他人に好かれたいなら
- 人助けはまとめてやる
ギバーとは
人には大きく分けて三種類います。常に与えるより多く受け取ろうとするテイカー。相手から受け取るよりも多くを与えるギバー。与えることと受け取ることのバランスをとろうとするマッチャーがいます。
ギバーの力
ギバーもテイカーもマッチャーは成功することはどれも可能だ。しかしギバーが成功するときは特有の現象が起こる。それはその成功が周りの人に波及していくのである。調査ではテイカーが成功する場合には妬まれやすいことがわかっている。しかしギバーが成功する場合には周りの人から声援を送られ周囲の人々の成功をも生む。
好意を持たれるのはテイカーorギバー?
そんなのもちろんギバーだとおもうかもしれません。しかしこんなデータがあります。ドイツの心理学者トリオによると、初対面で一番好感を持たれるのは、「権利意識が強く、人を操作したり利用したりする傾向のある人々」だという。なんだ結局テイカー得するのかー。
弱い繋がりの強さ
「強い繋がり」とは親友や同僚といった、周囲の心から信頼する人たちのことをいう。一方「弱い繋がり」とは、ちょっとした知り合いのことを指す。一般的には「強い繋がり」の方が役に立つだろうと思うでしょう。かくゆう私もそうだと思っていました。しかしスタンフォード大学の社会学者マーク・グラノヴェッターの研究が行った転職したばかりの専門職、技術職、管理職の人々を調査した。結果約17%が強い繋がりから仕事の情報を得ていたのに対し、約28%の人が弱い繋がりから情報を得ていたのである。弱い繋がりは橋渡しとして役に立つのである。
ギバーのエネルギー
ミシガン大学の社会学教授ウェイン・ベイカーが、バージニア大学のラブクロス教授、IBMのアンドルー・パーカーと共同で調査した結果、人脈ネットワークを行き交うエネルギーの流れも追跡できることがわかった。その研究で出来上がったエネルギー・ネットワーク・マップは、なんと銀河系のモデルにそっくりだったのである。テイカーはまるでブラックホールのように、周囲の人々のエネルギーを吸いとっていった。ギバーは太陽のように組織中にエネルギーを注入していた。
「5分間の親切」からすべてが始まる
これまでのギブアンドテイクの関係では、お互いマッチャーとして価値を交換していた。助けてくれた人を助け、見返りを期待する相手に親切をするのだ。しかしギバーは違う。価値を交換するのではなく、ひたすら価値を増やすことを目指している。「影響力」の専門家、ジェームズ・ファウラーとニック・クリスタキスは、与えることは、社会的ネットワーク全体に素早く広範にわたって広がっていくことを発見した。人が自分を犠牲にしてあるグループのメンバーに繰り返し与えるようにすると、ほかのグループのメンバーもやがて同じことを始めたのである。それどころか、もともとその場にいなかった人々にまで与えるようになったのだ。ギバーの影響力恐るべしですね!
ギバーのみが持つ信用の力とは?
心理学者のエドウィン・ホランダーは名高い論文において、人がグループの中で寛大に振る舞うと「特定人物固有信用」を得ると主張している。これはつまり、グループのメンバーの心に積み立てられる、相手に対する信用のことを言う。ギバーとして信用を得るとちょっと大胆で挑戦的なアイデアを出しても、周りに特別に認められてしまうことが研究で明らかになっている。確かにギバーから言われたら信用してるから「まぁこの人の意見なら大丈夫でしょ」ってなりますよね!
弱点は大きな強みになる
相手を納得させてサービスを利用してもらったり、アイデアを受け入れてもらったり投資するには、人を説得したり、その気にさせたりしなければならない。研究から人に影響を与えるための2つの基本的なアプローチは、優位と信望
であることがわかっている。優位を確立すれば、人から権威があると思われるので、影響を及ぼすことができる。また信望を集めれば、人から尊敬、賞賛されるのでやはり影響力は大きい。しかし優位は基本的にはテイカーの得意で好きなアプローチの仕方だ。しかし、これは人に影響を与えるもっともいい方法なのか?優位は自分が優位になればなるほど相手は不利になっていく。そうすれば相手は抵抗するだろう。
しかし信望は違う。信望は無限に続く価値がある。自分に信望があるからといって相手の信望がなくなるわけではないから。
では信望はどのようにすれば集められるのか。このポイントになるのがテイカー独特の「強気のコミュニケーション」の対極にある「ゆるいコミュニケーション法」である。ゆるいコミュニケーションをする人は強引な話し方はせず、人のアドバイスは喜んで受け入れる。弱点を隠さずさらけ出し、拒絶や障害をうまく利用して会話を進めていく。しかし偉大なリーダーなど「力強い話し方」で話すことが良しとされてきた。ゆるいコミュニケーションを使ったら影響を与えるという点で不利になってしまうのではないか?と思うかもしない。実はそうではないのだ。ギバーはゆるいコミュニケーションを用いて弱みをさらけ出すことによって信望を集めている。ただし弱みを見せてもいいのは周囲の人々に自分が有能だと見られているときだけだそうだ。なかなか有能だと思われることが大変だと思うのですが。
他人に好かれたいなら
自分に権威がない場合に人に影響を及ぼす方法として「アドバイス・シーキング」というものがある。アドバイス・シーキングとは相手にアドバイスを求めることである。
ある研究で売り手と買い手に分けて交渉する実験を行った。売り手が出来る限りの最高額で売ることを目標にした場合わずか8%しか合意に至らなかった。もう一つは売り手が買い手に価格の折り合いをつけるにはどうしたらいいかアドバイスを求めた場合、42%が合意に達した。なかなか効果がありますね。アドバイスを求めることによって、協力関係と情報の共有が促され、もめがちな交渉を双方が得するような取引に変わるのだ。このほかにも知識のある同僚にしょっちゅうアドバイスや助けをを求める人は、まったく求めない人より、上司の受けがいいことがわかっている。人間は自分の時間、エネルギー、知識や情報を投資して誰かを助けると、相手がそれに値する人だと必死で信じようとしているんだとか。だから助けた人のことを信頼するんですね!
人助けはまとめてやる
カーネギーメロン大学の心理学者ビッキー・ヘルゲソンは多くの調査から自分の幸せをかえりみず与え続ければ、精神的・肉体的健康を害するリスクが高まることを発見した。しかし他人のことだけでなく自分自身のことを思いやりながら他者志向的に与えれば心身の健康を犠牲にすることはなくなるという。
ある調査によれば、6ヶ月以上にわたり、自分自身と他人のどちらにも同じぐらい利益になるように与えた人々は幸福度と人生に対する満足度が大いに高まったという。
そして1日に1つずつ与えるよりも、1日に5つまとめて与えた人の方が幸福度が増したのだ。